医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【血液内科〜造血器腫瘍〜】医師国家試験に出る疾患の治療まとめ

治療方法 治療の意義 急性骨髄性白血病 ・寛解導入療法、地固め療法、維持療法 <化学療法抵抗性、予後不良因子保有例 > ・造血幹細胞移植 <急性前骨髄球性白血病(M3) > 寛解導入療法として、全トランス型レチノイン酸(ATRA)投与 - 急性リンパ性白血病 ・…

【血液内科〜止血系の異常〜】医師国家試験に出る疾患の治療をまとめてみた

今回は止血に関わる疾患の治療についてまとめました。やっぱり、私はざっと教科書やビデオ講座で理解しても、理解しているだけで思い出せるレベルにまで達していない所も多かったです。こうしてまとめてみて知識が定着することも多いものですね。 1次止血、2…

【産婦人科〜無月経、不妊、不育〜】医師国家試験に出る疾患の治療をまとめてみた

無月経 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 卵巣過剰刺激症候群(OHSS) 不妊全般 不妊各論 男性不妊、適合因子によるもの 女性不妊(子宮卵管因子) 女性不妊(内分泌因子) 不育 今回は産婦人科のうち、無月経、不妊、不育に関係する疾患の治療をまとめました。 …

産婦人科の治療まとめてみた〜子宮の腫瘍編〜

医師国家試験過去問を解いていると、一通り勉強して理解していたとしても、「この疾患の治療は?」とピンポイントで聞かれて、似たような名前の治療法を列挙されると、なかなかピシッとっこ答える事ができなかった経験ありません? そういうところで模試の点…

【血液内科の治療〜赤血球の疾患〜】医師国家試験に出る疾患の治療全てをまとめてみた

医師国家試験に出る赤血球の疾患についてまとめました。今回は治療のみをピックアップしています。 各疾患だけを、テキストやビデオ講座で勉強しているとわかった気になるのですが、問題解いていると意外と思い出せなかったりしたので、治療のみに絞ってまと…

医師国家試験カンタンに解説します!①

今日解いて、画像の読み方がよくわからなかった問題でした。 【113D60】(改変っていうか、ざっくり要所を抜き出します) 55歳男性。慢性の腰背部痛、両肘関節、膝関節痛のため受診。両肘、膝関節、両側臀部、両側アキレス腱付着部に圧痛を認める。 赤血球正…

【国試対策】膠原病で出現する自己抗体まとめ

・抗Sm抗体、抗dDNA抗体→SLE ・抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラント)→抗リン脂質抗体症候群(APS) ・抗scl-70抗体(抗トポイソメラーぜⅠ抗体)、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体→全身性硬化症(SSC、強皮症) ・抗セントロメア抗体→CR…

リウマチ性多発筋痛症の病態、症状、所見、治療について概説

病態 50代から発症し、特に70代女性で多く見られる疾患です。巨細胞性動脈炎に合併することが多いです。 症状 対称性の近位筋優位な筋痛が見られます。朝に筋のこわばりを認めます。 また、本疾患は、側頭動脈炎に合併することが多いため、疑った場合は…

強直性脊椎炎の病態、症候、検査所見、治療について概説

病態 20~30歳代に好発する原因不明の慢性進行性関節炎である。HLA-B27が陽性となる。 症候 傍脊椎靭帯が骨化し、前屈、後屈、側屈が障害される。 腰痛は運動により改善することが特徴である。 他に、仙腸関節炎、虹彩毛様体炎、大動脈炎による大動脈弁閉鎖不…

反応性関節炎(Reiter症候群)の病態、症候、検査所見、治療について概説

病態 この疾患患者の90%がHLA-B27陽性者。 感染を前駆として、結膜炎、非淋菌性(特にクラミジア)尿道炎、関節炎の3徴を見る。 症候 結膜炎、関節炎、尿道炎が3徴である。そのほかに、感染による発熱、腱付着部炎(特にアキレス腱に多い)、前立腺炎、子宮…

Kaposi水痘様発疹症について概説

病態 Kaposi水痘様発疹症は、アトピー性皮膚炎を持った患者に単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が感染することによって生じます。発熱、痛みを伴うリンパ節腫脹、上半身を中心とした水疱が生じます。 鑑別疾患 アトピー性皮膚炎に合併することの多い伝染性膿痂…

単純ヘルペスウイルス感染症の病態・検査・治療をわかりやすく概説

病態 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)とHSV-2が、それぞれ主に口唇、外陰に感染することで引き起こされる感染症です。 HSV-1は、主に飛沫感染・接触感染の経路で感染し、口唇に痛みを伴う水疱を生じます。HSV-2は主に性感染の経路で感染し、外陰に同様の水…

インフルエンザの病態・検査・治療について分かりやすく概説

インフルエンザとは インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染によって、発熱や頭痛、関節痛などの症状が出現する病気のことです。インフルエンザウイルスは、RNAウイルスと呼ばれるウイルスの一種で、A、B、C型があります。季節性インフルエ約7割…

片頭痛の病態・症状・治療について分かりやすく解説

片頭痛の病態・症状 女性に多い頭痛です。片方の側頭部(こめかみの部分)にズキズキとした痛みを感じます。個人差がありますが、月1、2回程度の症状が出ることが多い様です。頭痛は、日中に生じることが多く、一回あたり数時間から数日続きます。 以下の様…

緊張型頭痛の病態・症状・治療について分かりやすく解説

緊張型頭痛の病態・原因 精神的なストレスやパソコン作業などの無理な姿勢の持続などによって、神経や筋の緊張が亢進することによって生じるとされる頭痛です。男女ともに発症します。 「締め付けられるような痛み」と表現される頭痛が、持続的に出現します…

群発頭痛の病態・症状・治療について分かりやすく解説

群発頭痛の病態 20~40歳代の男性に好発する頭痛です。「目の奥をえぐられる様な痛み」と表現される激しい痛みであることが特徴です。年に数回、深夜に起こることが多く、1時間程度持続します。頭痛のほかにも多くの症状が出現することも特徴です。 症状 ・目…

医師国家試験禁忌集【産婦人科編】

医師国家試験受験生である筆者が、国試における禁忌をまとめていきます。まずは、産婦人科です。随時更新していきます。 妊婦への禁忌薬 妊婦への禁忌薬 抗菌薬 ・アミノグリコシド系→心奇形 ・テトラサイクリン系→エナメル質形成不全、歯牙着色 ・ニューキ…

DiGeorge症候群の病態、検査所見、治療について分かりやすく解説

DiGeorge症候群とは この疾患は、22q11.2という遺伝子の欠失によって引き起こされます。この遺伝子の作用がなくなると、胎児が子宮内で成長するときに、胸腺や副甲状腺の基となる第3、4咽頭弓という器官に異常が起こり、胸腺低形成、副甲状腺低形成へとつな…

気管挿管の手法とポイント カンタンに解説①

気管挿管の練習を行ったのでメモ。個人的に後で再度練習や実践で行うときに覚えておきたいポイントを押さえておきます。気管挿管のやり方をざっくり学びたい方、どうぞ。 手順 ①スニフィングポジションを取る。 まず初めに徒手で顎先を挙上させることからス…

薬剤性腎障害(DKI:Drug-induced Kidney injuly)

はじめに 薬剤性腎障害について、薬剤性腎障害診療ガイドライン2016を参考として、原因、病態、診断、治療についてまとめます。 薬剤性腎障害とは 薬剤性診療ガイドライン2016によると、 薬剤性腎障害(drug‒induced kidney injury:DKI)とは「薬剤の投与によ…

Bland-White-Garland症候群についてコンパクトに概説

病態 先天的に左冠動脈が、肺動脈から起始する疾患です。通常、左・右冠動脈は両方とも大動脈から起こり心筋を栄養しますが、本疾患では、酸素飽和度の低い肺動脈から左冠動脈が分枝するため、左冠動脈に栄養される前壁や側壁で虚血が起こり、虚血性心筋症様…

家族性アミロイドポリニューロパチーの病態・診断・治療について概説

病態 トランスサイレチンと呼ばれる肝臓で生成されるタンパク質の遺伝子異常により、変異トランスサイレチンが合成され、それらが重合して形成されたアミロイドタンパク質が全身の神経や臓器に蓄積して、神経・臓器障害が起こる疾患です。常染色体優性遺伝の…

麻疹の病態について分かりやすく概説。風疹との鑑別方法も

麻疹とは ・麻疹ウイルスが空気感染することによって生じる疾患。 ・感染から2週間の潜伏期を経て、発熱、咳嗽、発疹が生じる。 発熱は二峰性(発熱後一旦解熱し、再び発熱する)である。一度目の発熱でkoplik斑が口腔粘膜に生じる。2回目の発熱で全身に皮疹…

風疹の病態・所見・治療についてわかりやすく概説

病態 風疹ウイルスによる感染症です。飛沫感染により、5~15才に好発します。発熱、発熱と同時に生じる全身の発疹、リンパ節の腫脹(頸部、後頭部、耳介後部)が起こります。発疹は、発熱と同時に生じること、落屑や融合、色素沈着を呈さないのがが特徴的で、…

X連鎖(Bruton型)無ガンマグロブリン血症の病態・所見・治療について概説

X連鎖無ガンマグロブリン血症について概説して医きます。 病態 伴性劣性遺伝による遺伝性疾患。液性免疫の異常によって、免疫グロブリン(抗体)を産生出来ず、免疫不全を呈する遺伝性の疾患 乳児は母っから胎盤を通してもらった抗体を生まれつき持っている…

大動脈弁閉鎖不全症の聴診所見についてわかりやすく解説

はじめに 弁膜症で起こる異常心雑音、なかなか理解しづらいポイントだと思います。今回は、大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉で生じる異常な聴診所見についてできるだけ分かりやすく説明してみます。 結論から言うと、聴取される心音は、 ・拡張期灌水様雑音@胸骨左…

球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の病態・検査所見・治療を概説

病態 身体所見 下位運動ニューロン障害による症状 球麻痺症状 他の症状 検査所見 血液検査 遺伝子検査 治療 病態 遺伝子異常(伴性劣性遺伝)により、アンドロゲン受容体タンパク質のポリグルタミンと呼ばれる部分が長くなる異常(CAGリピートと呼ばれます。…

突発性発疹の病態、検査、治療について概説

病態 乳児期後半にヘルペスウイルス6、7型に感染することで、発熱とともに発疹が全身に出現する病気です。 身体所見 38〜39°Cの発熱が起こります。高熱にもかかわらず、機嫌が良いことが特徴のようです。 解熱後に、全身に発疹が出現します。発疹は発熱が治…

胎便吸引症候群の病態、検査、治療を概説

病態 胎便吸引症候群を疑う所見 検査所見 治療 病態 胎便吸引症候群(MAS)は、胎児が出生前に子宮内で胎便を排泄し、飲み込んで期間に詰まらせてしまう病態のことです。胎内で臍帯によって血液が送られているときは問題ありませんが、出生後、自発的な呼吸…

川崎病の治療方法についてのまとめ

川崎病の治療目的 治療方法 大量免疫グロブリン療法 抗血小板療法 川崎病は、別名『小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群』と呼ばれる、川崎富作博士によって発見された病気です。名前の通り、小児に発熱や皮膚・粘膜・リンパ節病変が急に発症します。 今回は…