医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

薬剤性腎障害(DKI:Drug-induced Kidney injuly)

はじめに

薬剤性腎障害について、薬剤性腎障害診療ガイドライン2016を参考として、原因、病態、診断、治療についてまとめます。

薬剤性腎障害とは

薬剤性診療ガイドライン2016によると、

薬剤性腎障害(drug‒induced kidney injury:DKI)とは「薬剤の投与により,新たに発症した腎障害,あるいは既存の腎障害のさらなる悪化を認める場合」である. 

 と定義されています。

原因

NSAIDs、抗腫瘍薬、抗菌薬、造影剤が主要因となります。このうち、NSAIDsによるものが25.1%で咲いた要因となっています。

 

診断

以下の3点を満たすときに診断できます。

 

①薬剤の投与後に新たに発生した

②該当薬剤の中止により腎障害の消失,進行の停止を認める
③上記の ①,②があって他の原因が否定できる

 

しかしながらも、腎障害が長引く場合や、腎障害を元々持っている場合は診断が困難となります。また、投与から発症までの時間が薬剤ごとに異なることや、腎障害の原因薬剤が複数考えられうることも診断を難しくする要因です。

 

治療

原因薬剤をできるだけ早期に同定し、中止することです。

腎障害が遷延する場合は、ステロイド療法を考慮します。

 

参考文献

薬剤性腎障害診療ガイドライン2016

https://jsn.or.jp/academicinfo/report/CKD-guideline2016.pdf