医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

【血液内科〜造血器腫瘍〜】医師国家試験に出る疾患の治療まとめ

  治療方法 治療の意義
急性骨髄性白血病

寛解導入療法、地固め療法、維持療法                       

<化学療法抵抗性、予後不良因子保有例 >

・造血幹細胞移植

<急性前骨髄球性白血病(M3) >

寛解導入療法として、全トランス型レチノイン酸(ATRA)投与

-
急性リンパ性白血病

寛解導入療法、地固め療法、維持療法

フィラデルフィア染色体(+)例>

チロシンキナーゼ阻害薬(リツキシマブ)投与。

寛解後、同種造血幹細胞移植

フィラデルフィア染色体(ー)例>

ビンクリスチン、アントラサイクリン系薬、プレドニゾロン                           

 

・中枢神経白血病予防→メトトレキサート       

-
慢性骨髄性白血病

チロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ)投与

<HLA適合ドナーがいた場合 >

・造血幹細胞移植

フィラデルフィア染色体<t(9;22)>が生じることで、チロシンキナーゼ活性が上昇することにより発症するため、チロシンキナーゼ阻害薬が効く。               
慢性リンパ性白血病

<症状なし>経過観察

<貧血、血小板減少例> 化学療法(リツキシマブ、フルダラビン、シクロホスファミド)

<AIHA合併例>プレドニゾロン投与

B細胞が増殖する疾患である。よって、抗CD20抗体製剤であるリツキシマブが有効。 
成人T細胞白血病

<くすぶり型、慢性型>経過観察

<リンパ腫型、急性型>化学療法、造血幹細胞移植

高カルシウム血症がある場合>

生理食塩水大量輸液、利尿薬、ビスホスホネート、カルシトニン                          

ちなみに、抗ウイルス薬はない。                       
- - -
骨髄系腫瘍(白血病除く) - -
真性赤血球増加症(PV)

瀉血

・化学療法-ハイドロキシウレア、JAK阻害薬(ルキソリチニブ)

血栓予防→低用量アスピリン投与

本態性血小板減少症(ET)

<高リスク群>

・低用量アスピリン投与+ハイドロキシウレア投与

血小板増加による血栓形成を予防する目的で、低用量アスピリンが有効.
- - -
リンパ系腫瘍(白血病除く) - -
悪性リンパ腫

[Hodgkinリンパ腫]

<限局例>

・化学療法(ABVD療法:アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバシン)

放射線療法併用

<進行期>

化学療法

 

[非Hodgkinリンパ腫]

・CHOP療法

放射線療法

※CD20陽性例には、リツキシマブを加えたR-CHOP療法を行う。

-
多発性骨髄腫

〈症候性の場合〉

・プロテアソーム阻害薬(ボルテゾミブ)投与

〈再発・治療抵抗性〉

・レナリドミド、サリドマイド、ボルテゾミブ投与

高カルシウム血症がある場合> ・生理食塩水大量輸液、利尿薬、ビスホスホネート、カルシトニン

-
原発性マクログロブリン血症

<過粘稠症候群>

血漿交換

-
MGUS 経過観察 予後良好である。