Bland-White-Garland症候群についてコンパクトに概説
病態
先天的に左冠動脈が、肺動脈から起始する疾患です。通常、左・右冠動脈は両方とも大動脈から起こり心筋を栄養しますが、本疾患では、酸素飽和度の低い肺動脈から左冠動脈が分枝するため、左冠動脈に栄養される前壁や側壁で虚血が起こり、虚血性心筋症様の症状が生じます。具体的には、胸痛、胸部絞扼感といった症状が生じます。
先天的な心血管異常によって引き起されるので、若年から症状が出現します。これは、虚血性心疾患と異なる点であり、本疾患を疑うポイントになります。
検査
・心電図
心電図において、虚血部に一致したST-T変化(Ⅰ、V4~6誘導)が見られます。
・冠動脈造影
本疾患では、右冠動脈から左冠動脈への側副血行路が形成されます。そのため、右冠動脈造影によって、左冠動脈と肺動脈が逆行性に造影されます。
治療
手術によって、大動脈から左冠動脈へ動脈血が流れるように処置を施します。