川崎病の治療方法についてのまとめ
川崎病は、別名『小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群』と呼ばれる、川崎富作博士によって発見された病気です。名前の通り、小児に発熱や皮膚・粘膜・リンパ節病変が急に発症します。
今回は、川崎病の治療についてまとめます。
川崎病の治療目的
川崎病急性期治療のガイドラインによると、川崎病の治療目的は、“ 急性期の強い炎症反応を可能な限り早期に 終息させ、結果として合併症である冠動脈瘤の発症頻度を最小限にすること ”とされています。
川崎病は全身に病変の出る病気ですが、最も怖いのは、突然死にもつながりうる冠動脈瘤です。治療を行うことで、冠動脈流の出現を予防することを目的としています。
治療方法
最も信頼できる治療方法は、発症早期の大量免疫グロブリン静注と、経口アスピリンの併用とされています。
それぞれについて見ていきましょう。
大量免疫グロブリン療法
発症早期に、大量(高用量)の完全分子型免疫グロブリンを静注します。(Intravenous
Immunoglobulin; IV IG)
川崎病急性期治療ガイドラインによると、投与方法は3種類あります。
1、2g/kg/dayの超大量療法
2、1g/kg/dayを1日、または2日連続投与
3、200~400mg/kg/dayを3~5日での分割投与
以上が紹介されていますが、IV IGは用量依存的に効果が高いとされるため、1、2が3に比して成績が良いようです。
抗血小板療法
上述の治療にアスピリン内服を併用します。
急性期:30〜50mg/kg/日
解熱後:3~5mg/kg を3~5ヶ月継続
以上のように投与します。
巨大冠動脈瘤を発症した場合は、アスピリンのみでは血栓を防止できない場合があるため、チクロピジンや自ピリダモールの併用が望ましいとされているようです。
以下を参考にしました。