【産婦人科〜無月経、不妊、不育〜】医師国家試験に出る疾患の治療をまとめてみた
今回は産婦人科のうち、無月経、不妊、不育に関係する疾患の治療をまとめました。
なんかわかりづらくて苦手だったんですよね。薬の名前とか覚えづらいし、治療の作用機序とかも独特なものが多い。
まとめてみたんで、良ければご覧ください。
治療の理解に必要な病態・分類など | 治療 | |
---|---|---|
無月経 |
第1度: エストロゲン分泌があり、プロゲステロン分泌のみないもの 視床下部のLHRH分泌能のみが傷害されている。 | クロミフェン(排卵誘発剤:エストロゲンと競合しGnRH分泌↑) |
第2度: エストロゲン分泌、プロゲステロン分泌ないもの "覚え方:第2度は二つともない" 原因:視床下部、下垂体、卵巣の異常 | ゴナドトロピン療法(hMG+hCG) | |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) |
・視床下部、下垂体、卵巣の異常に加え、 副腎系や糖代謝異常が関与していると考えられている。 ・LHのみ↑、FSHは→ ※ちなみに、第1度無月経だよ | 1、減量 2、挙児希望あり:クロミフェン投与(排卵させる) クロミフェン無効例:ゴナドトロピン(hMG +hMG)療法 3、挙児希望なし:Holmstrom療法(黄体ホルモン療法) 4、腹腔鏡下卵巣多孔術 5、ART(生殖補助医療) |
卵巣過剰刺激症候群(OHSS) |
・ゴナドトロピン療法(hMG +hCG)療法後に、卵巣が過剰に刺激されることで血管作動性物質を放出することにより起こる。 ・症候 循環血液量低下→血圧低下、DIC、腎前性腎不全 | 1、輸液 2、低容量ドパミン投与:利尿作用がある。乏尿による急性腎不全を予防 |
治療の理解に必要な病態・分類など | 治療 | |
---|---|---|
不妊全般 |
- | 1、基礎体温の記録、排卵時期予測 2、タイミング指導 <タイミング指導でダメな場合> 3、人工授精、排卵誘発(クロミフェン) 4、3がダメなら、ART(体外受精、顕微授精、胚移植)を行う |
- | 以下、上の治療をもとに考える | - |
不妊各論 |
男性不妊、適合因子によるもの |
人工授精、ART 他、手術(器質的疾患あれば) |
女性不妊(子宮卵管因子) |
ART ※人工授精は、適応にならない。精子を注入したところで受精、着床不可 | |
女性不妊(内分泌因子) |
内分泌治療 | |
不育 |
半数の原因は不明。 抗リン脂質抗体症候群、染色体異常、子宮奇形、内分泌異常などによる。 | 原因が明らかになれば、原疾患を治療する。 |