医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

2020-11-04から1日間の記事一覧

麻疹の病態について分かりやすく概説。風疹との鑑別方法も

麻疹とは ・麻疹ウイルスが空気感染することによって生じる疾患。 ・感染から2週間の潜伏期を経て、発熱、咳嗽、発疹が生じる。 発熱は二峰性(発熱後一旦解熱し、再び発熱する)である。一度目の発熱でkoplik斑が口腔粘膜に生じる。2回目の発熱で全身に皮疹…

風疹の病態・所見・治療についてわかりやすく概説

病態 風疹ウイルスによる感染症です。飛沫感染により、5~15才に好発します。発熱、発熱と同時に生じる全身の発疹、リンパ節の腫脹(頸部、後頭部、耳介後部)が起こります。発疹は、発熱と同時に生じること、落屑や融合、色素沈着を呈さないのがが特徴的で、…

X連鎖(Bruton型)無ガンマグロブリン血症の病態・所見・治療について概説

X連鎖無ガンマグロブリン血症について概説して医きます。 病態 伴性劣性遺伝による遺伝性疾患。液性免疫の異常によって、免疫グロブリン(抗体)を産生出来ず、免疫不全を呈する遺伝性の疾患 乳児は母っから胎盤を通してもらった抗体を生まれつき持っている…

大動脈弁閉鎖不全症の聴診所見についてわかりやすく解説

はじめに 弁膜症で起こる異常心雑音、なかなか理解しづらいポイントだと思います。今回は、大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉で生じる異常な聴診所見についてできるだけ分かりやすく説明してみます。 結論から言うと、聴取される心音は、 ・拡張期灌水様雑音@胸骨左…

球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の病態・検査所見・治療を概説

病態 身体所見 下位運動ニューロン障害による症状 球麻痺症状 他の症状 検査所見 血液検査 遺伝子検査 治療 病態 遺伝子異常(伴性劣性遺伝)により、アンドロゲン受容体タンパク質のポリグルタミンと呼ばれる部分が長くなる異常(CAGリピートと呼ばれます。…

突発性発疹の病態、検査、治療について概説

病態 乳児期後半にヘルペスウイルス6、7型に感染することで、発熱とともに発疹が全身に出現する病気です。 身体所見 38〜39°Cの発熱が起こります。高熱にもかかわらず、機嫌が良いことが特徴のようです。 解熱後に、全身に発疹が出現します。発疹は発熱が治…

胎便吸引症候群の病態、検査、治療を概説

病態 胎便吸引症候群を疑う所見 検査所見 治療 病態 胎便吸引症候群(MAS)は、胎児が出生前に子宮内で胎便を排泄し、飲み込んで期間に詰まらせてしまう病態のことです。胎内で臍帯によって血液が送られているときは問題ありませんが、出生後、自発的な呼吸…