インフルエンザの病態・検査・治療について分かりやすく概説
インフルエンザとは
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染によって、発熱や頭痛、関節痛などの症状が出現する病気のことです。インフルエンザウイルスは、RNAウイルスと呼ばれるウイルスの一種で、A、B、C型があります。季節性インフルエ約7割はA型によるもので、残り3割がB型によるものであることが分かっています。C型は症状を引き起こすことが少ないです。飛沫感染(咳やくしゃみなど)によって感染します。
症状
発熱(高熱)、せき、喉の痛み、筋肉痛、関節痛などの多くの症状が出現します。
検査
鼻咽頭拭い液による迅速検査で、鼻粘膜中のインフルエンザウイルスの抗原の存在を確認することにより診断できます。
治療
ノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル)が有効です。この薬は、インフルエンザウイルスが細胞内で増殖した後、細胞外へ出るのを防ぐ働きをします。これにより、インフルエンザウイルスは他の細胞へ感染することができなくなります。A型には、アマンタジンを使用することもあります。
※アマンタジンは妊婦には使用できません。
また、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDs、アセトアミノフェンによる鎮痛も有効です。18歳以下の小児は、NSAIDs(アスピリンやイブプロフェンなど)の投与により、Reye症候群を引き起こし、急性脳症や肝障害を患って患ってしまう危険があるためNSAIDsを投与してはいけません。
予防
ワクチンによる予防が可能です。インフルエンザウイルスは頻繁に抗原が変化するため、毎年の摂取が必要になります。また、インフルエンザウイルス感染者と接触したのちに抗ウイルス薬(上述のノイラミニダーゼ阻害薬)を内服することで発症を予防することができます。