ノロウイルス・ロタウイルスそれぞれについて分かりやすく解説
急性胃腸炎は、ウイルスの感染により主に下痢をきたす疾患です。ウイルスによっては嘔吐も出現します。
急性胃腸炎の原因ウルスとして最も頻度が高いのは、ノロウイルスとロタウイルスです。今回はこの2つのウイルスそれぞれについて説明します。
ノロウイルス
流行季節:冬
好発:小児、成人
原因:生食の生ガキなど
症状;発熱、腹痛、嘔吐、下痢
冬に流行するウイルスです。後述するロタウイルスと違って、ノロウイルスは全年齢で発症します。主に生牡蠣を食べることで発症します。ノロウイルスは耐熱性がないため、食加熱により発症を防ぐことができます。
突然の嘔吐で始まることが多く、およそ6時間にわたって、嘔吐を繰り返します。嘔吐を繰り返している時は、食べ物や飲み物を摂取するとさらに苦しくなってしまうので、絶飲、絶食とするのが良いようです。嘔吐が治れば、経口補水液などで水分補給
などに努めます。抗ウイルス薬は存在しないので、基本的には、保水などの対症療法を行います。
ロタウイルス
流行季節:冬
好発:乳幼児
原因:感染者の糞便や吐物からの飛沫を吸引
症状;激しい下痢(白色水様弁)
ノロウイルスと同様に、冬に流行する急性胃腸炎の起因ウイルスです。ノロウイルスとは違って乳幼児(〜1歳)に好発します。白色水様便と呼ばれる白色の下痢が特徴です。
抗ウイルス藥は存在しないので、ノロウイルスと同様に対症療法が基本となります。
希釈次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方
これらのウイルスは次亜塩素酸ナトリウムで消毒することができます。ロタウイルスはエタノールで、ある程度活性が失われる様ですが、ノロウイルスはエタノールに強い抵抗性を持つことがわかっています。
そのため、これらのウイルスは次亜塩素酸で消毒しましょう。
消毒液は、市販の塩素系漂白剤を希釈することで作れます。
塩素濃度が5%の商品であれば、250倍に希釈しましょう。5Lの水に塩素系漂白剤を20ml入れればその濃度に希釈できます。
〈注意点〉
酸素系の漂白剤では、コロウイルス作用はありません。塩素系のものを選びましょう。
また、くれぐれも塩素系と酸素系の漂白剤を混ぜ合わせたりしない様に。