医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

MRSAやVREに使用できるリネゾリド、ダプトマイシンについて

腸球菌に対する抗菌薬は第一選択薬がアンピシリン、第二選択がバンコマイシンとなっている。

黄色ブドウ球菌では、

アンピシリン/スルバクタム系や第一世代セフェム系(セファゾリン)などが使用される。

βラクタム系が全て効かないMRSAには、バンコマイシンが適応となる。

しかし、両者において、バンコマイシン耐性菌が出現してきた。

それらに対して適応となるのが、

リネゾリドやダプトマイシン。

レネゾリドは、

オキサゾリジン系と呼ばれる新しい系統の抗菌薬で、

細菌内のリボゾーム50sサブユニットに結合し、タンパク合成を阻害する。

ダプトマイシンは、

リポペプチド系抗菌薬の一種で、細胞膜リン脂質に結合し、細胞膜透過性を亢進させることで殺菌作用を発揮する。

黄色ブドウ球菌、腸球菌両方のバンコマイシン耐性菌にこれらの抗菌薬が有用。