成人still病の治療 まとめ
- はじめに
- 治療
-
最後にちょっとメモ
はじめに
成人still病とは、16歳以上の成人で不明熱をきたす代表的疾患の一つです。若年性特発性関節炎の全身型(still病)に類似した病態を呈します。
不明熱は、
・3週以上の発熱
・38度以上の発熱が数回起こる
・入院検査で原因不明
の条件を満たす熱のことを言います。
そのため、悪性疾患、感染、膠原病が否定された上で、特徴な的な症状から診断をつけなければなりません。
成人発症still病の診断基準は以下の通りで、大項目の2つ以上を含み、かつ合計5つ以上の項目が該当する症例が、成人still病と診断されます。
”成人発症スチル病分類基準
大項目
1.39℃以上の発熱が1週間以上持続
2.関節痛が2週間以上持続
3.定型的皮疹
4.80%以上の好中球増加を伴う白血球増加(10000/ml以上)
小項目
1.咽頭痛
2.リンパ節腫脹または脾腫
3.肝機能異常
4. リウマトイド因子 陰性および抗核抗体陰性
除外項目
I.感染(特に 敗血症 、伝染性単核球症)
II.悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫)
III.膠原病(特に 結節 性多発動脈炎、悪性関節リウマチ)”
(引用:難病情報センター 成人スチル病 https://www.nanbyou.or.jp/entry/132)
治療
NSAIDsを投与し、改善がなければ副腎皮質ステロイドを投与する。
また、効果不十分な場合にトシリズマブ(抗IL-6受容体抗体)も適応となる。
以下、医薬品情報。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054586
メトトレキサートなどの抗リウマチ薬の有用性も報告されている。
最後にちょっとメモ
ステロイドが奏功しなかったため、抗IL-6受容体抗体を投与した症例を経験したのでまとめました。
IL-6は肝臓に働きかけ、CRPを上昇させる作用を持つサイトカインですが、トシリズマブ投与によりCRPが急激に下がったのが印象的でした。
ただ、CRPは下がっても、疾患活動性は残存していることもあるため、関節痛の有無、滑膜円の有無などをフォローしなければなりません。