医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

腹痛時の診断過程ザックリメモ

病歴聴取・身体診察

除外すべき疾患

1,まず、致死的疾患を除外

2,若い女性なら妊娠と婦人科系疾患を除外

除外診断を意識しながら、診察を行う。

病歴聴取・身体診察

バイタルチェック

血圧(BP)、脈拍(HR) 、SpO2、体温チェック。

問診

腹痛に関するOPQRST。

食事内容、随伴症状を聴取。

鑑別疾患(心、血管塞栓、婦人科疾患、各消化器疾患)を意識してリスクファクター、生活歴、既往歴、薬剤歴、手術歴、海外渡航歴などを聴取。

 

腹部の視診、聴診、打診、触診

触診では、筋性防御、反跳痛、Carnett徴候など見られたら、急性腹症疑い。

外科へコール。

その他部位診察

眼瞼結膜炎貧血、眼球結膜黄染、呼吸音・心音、直腸診なども並行して行う。

 

検査

想定疾患を絞って検査をオーダーする。

血液検査、心電図、腹部・胸部単純X線撮影、腹部超音波、腹部CTなど。

並行してやっておく処置

・心電図モニター、SpO2モニター、血圧モニター装着。

通常は痛みでBP, HR, RR上昇することが多いが、出血や敗血症では低下しうる。

発熱は敗血症の可能性も考える。

 

・抹消ラインを確保

輸液、投薬に備える。

 

・鎮痛薬投与

・緊急手術想定される場合、凝固、血液型、クロスマッチ、感染症を採血で検査。