年齢ごとに裂孔原性網膜剥離の治療方法が変わる理由について
はじめに
網膜剥離の治療は、
裂孔のみの場合(網膜剥離に至らない)、レーザーや冷凍凝固、
網膜剥離に至った場合、強膜内陥術〈強膜バックル術〉、硝子体手術が行われます。
年齢によって、
若年者→強膜内陥術〈強膜バックル術〉
高齢者→硝子体手術
と適応が変わります。
この理由を今まで知らず、何となく流してたのですが、今日初めて知ってなるほど〜と思ったので書き残しておきます。
若年者の場合
若年者には、強膜内陥術が適応になりますが、これは若年者の硝子体は弾性が保たれており、高齢者と比べて組織構造がしっかりしていることが影響しているようです。
強膜内陥術は、眼球の外側からバックルで押さえ込み、剥がれた網膜を胸膜の裏側に押しつける治療方法ですが、その時、内側がスカスカだったら押さえつけることができませんよね。
若年者の場合は、バックルで胸膜を押し込んだ時、強膜と硝子体で網膜を挟み込んで、強膜の裏側に押し付けられるので強膜内陥術が適応になるようです。
高齢者の場合
一方で高齢者は、硝子体が萎縮してしまっているため、強膜内陥術を行ったとしても、強膜と硝子体で、網膜を強膜裏に押し付けることができないようです。
そのため、硝子体手術を選択するとのことでした。