外耳道に昆虫が入った患者への処置
昆虫が外耳道に入った時の処置について解説した文献を読んだので簡単にまとめておきます。
・キシロカイン液(8%キシロカインスプレー、2%キシロカイン液等)を外耳道内に注入or噴霧し、昆虫を麻痺しせてから取るのが良いとの報告がある。
・キシロカインは、昆虫によって引き起こされた外傷性鼓膜穿孔から中耳内に入ったとしても、永久的な聴覚、前庭平衡覚への影響はなく、(内耳性耳鳴への治療として)4%キシロカイン液を内耳に注入した場合でも、聴力への影響はなかったとする報告もあるよう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/24/1/24_1_65/_pdf
研修前に買う本リストをまとめてみた
初期研修が始まって2年近く経とうとしているので、このタイミングで研修中に役立った本を紹介してみようかなと思います。検索すれば勉強に役立つ本はいくらでも出てきますが、ここでは、
・これだけは絶対に買ってた方が良い!
・これがあると浅いけれども幅広く対応できる
・これがあると対応力が増す
という視点に分けて書いてみようと思います。
これだけは買っておこう
内科レジデントの鉄則
研修医全員が持ってると言っても過言ではない一冊です。病棟業務、当直で出来なくてはならない対応について広く学べます。初期研修の早い段階で目を通しておくと良いと思います。
当直医マニュアル
これは絶対に持ってないといけない一冊だと思います。これに代わる本があればいいですが、初期研修医がこの本なしに当直をするのは無理に近いのでは?と思える程、役にたった一冊です。
例えば、胸痛がきた時にまず何を疑って、どんな問診をして、どの検査をするか、検査を進めながら輸液・薬は何を投与するか、診断がついたらどこに紹介するか、
といった当直中に行うことを網羅的に、かつコンパクトに掲載しています。必要な情報が広く載っていますが、ポケットに入るサイズで持ち運べるので、救急外来のみならず、通常の病棟業務にも持ち運べるのでかなり幅広い場面で役立つ一冊です。
もっと広く対応するのに役立つ本
今日の診断方針
今日の治療方針
内科レジデントの鉄則や当直医マニュアルは、研修医が出来なくてはいけない基礎的な事柄や、当直時の対応に絞ってまとめたものなので、病棟業務で遭遇するテーマについては書かれていないこともあります。
今日の診断指針、今日の治療指針の2冊は、非専門医でも、全ての疾患をこの本片手に診療できることを目的として作られた本なので、これを持っていたら、外来、病棟で診る症例の診断、治療の大筋を大方知ることができるような構成となっています。そのため、めちゃくちゃ分厚いですが、実は、各疾患についての情報はかなりコンパクトです。ガイドラインをもとにして作られているので、情報源もしっかりしているというのも推しのポイントの一つです。
ガイドラインを参考に診療をすることが求められる場面は多くありますが、その際にまずこの本を読んで概要を把握し、その次にガイドラインを読む、という流れで診療に臨むと、ガイドラインをスムーズに読み込むことができ、効率的に診療を行えました。また、ガイドラインを読むのは手間だけど、エビデンスのしっかりした、コンセンサスのある診療方針を知りたい時に読む、という使い方もできます。
それ以上に知りたい時は、参考文献に書かれているガイドラインなどの文書を読むと勉強もスムーズです。
受け持った患者に行われた診療についてこの本で調べることで、目にした診療を理解し、多くの知識を身につけることができました。、
対応力が増す
薬物治療プラクティス(絶対に買え、ではない)
絶対に買おう、という本ではないですが、これは良かったです。病棟業務中に処方出すときに参考にしました。上記までの本と違って、より実践的な処方例が書かれているんですよね。例えば、ロキソニンにはレバミピドを併用する、等、当たり前の知識ですが初期研修の最初だと分からない知識もよくあると思います。
そんな感じで、より実践的な処方例、処方の組み合わせがたくさん載っています。
この本はAmazonでは中古しかありませんでしたね。他のサイトでもあまり販売されてないように見える。。
ちょっと詳しく書いたやつです。
とりあえず上記はオススメです。色々勧められる本はありますが、色々買って、多く使った本を紹介しました。
もうちょいあるので、更新していきます。
処方例を一瞬で知れて、診療にダイレクトに役立つ本見つけた
なんか、久しぶりに、おぉ!良い!っていう本見つけました。
私、医師始めたての人間なので、マニュアルとか多用するんですけど、マニュアルや教科書の限界を最近感じていたんですよね。
例えば、
1.インフルエンザの患者が来た時に、タミフル、ロキソニンまではわかるけどあとは何を出したら良い?
2.急性副鼻腔炎の患者が来た時に、メイアクト、を出すまでは分かるけど、あとは何出したら良い?
というような疑問にダイレクトに答えてくれます。
この本に書かれている処方例は、以下の通りです
1に対する処方例
処方例1.定期服用薬
タミフルcap(75mg)1回1cap(1日2cap)
1日2回朝夕食後
アストミン錠(10mg) 1回1錠(1日3回)
ムコダイン錠(250mg)1回1錠(1日3回)
1日3回 朝昼夕食後
頓用薬
ロキソニン錠(60mg)1回1錠
発熱時6回分
2に対する処方例(薬剤名のみに省略)
処方例1.
1)メイアクトMS錠
2)ムコダイン錠
症例に対して、こんな処方例があるよ!ってリストを複数提示してくれるのはありがたい本だなぁと思いましたね!
教科書で勉強すると、各疾患に対する処方は覚えるのですが、
発熱してて、咳あって、痰絡みも強い人に何処方する?
みたいな複合的な処方だと、
えーと、これを出して、あ、あれも必要だな、マニュアル見よう(複数ページ見る)
みたいなことになる時もありました。
特に、ムコダインとかって、臨床やってく中で、まあこう使うかな、っていうのを覚えたので、「ムコダインも出そうか」と上に言われるまで気づかなかったり、みたいなことも外来始めた頃にはあったので、よく見る将来に対する処方例はこの本で一通りおさえようかなと思います。
Amazonでの在庫が結構少ないみたいですね。ネット見た感じ、他でもあまり売ってないようです。。。
Amazonでは中古の安いのが後2冊位しかないみたいです。
以下からどうぞ!!
⬇︎⬇︎
アシドーシス補正時のメイロンの使い方
アシドーシス補正時には、メイロン注射8.4%を使う。
メイロン注射8.4%には、1mLあたりHCO3- 1mEq含まれる。
※メイロン注射7%もあるが、これだと含まれるHCO3-が変わってしまうから注意。
以下の式で算出
必要量=(目標HCO3 − 測定HCO3)×体重(kg)×0.2
注意点として、
Naが多く含まれるので、Na負荷に注意。
Ca塩を含む製剤とは配合変化してしまう可能性あるので、配合負荷だよ。
cf. ちなみにですが、、
動揺病に伴う悪心やめまい、急性蕁麻疹にも使えます。
この時は、成人1回12〜60mL(12〜60mEq)を静脈内注射します。
投与の仕方
まずは半量を投与。
脳血流関門をHCO3が通過しづらいので、pH勾配を作らないようにゆっくり投与する。
おまけ
投与量計算をパッとできるツールがないかなぁと調べましたが、調べたところ見当たりませんでした。
が、以下のサイト、面白いなぁと思ったので紹介しておきます。アシドーシス、アルカローシスの病態をどれくらい理解してるか、水準の把握や学び直しに良いかなと思いました。
https://matsushita-er.blogspot.com/2020/06/30bga-30.html?m=1
ヒドロキシジンの作用機序、用法ザックリまとめ
ヒドロキシジンは、ヒスタミンH1受容体の逆アゴニスト(インバースアゴニスト)。
逆アゴニストとは、受容体に結合し、作動薬とは逆の作用を及ぼす医薬品のことです。
用法は、添付文書では以下のとおりです
アタラックスPの効能
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神経症における不安・緊張・抑うつ
麻酔前投薬
術前・術後の悪心・嘔吐の防止
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引用元https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179401A1026_4_02/
アレグラの効能
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アレルギー性鼻炎
蕁麻疹
皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
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引用元:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00059361