医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

尿路造影

最近泌尿器科勉強してるので簡単にまとめますかね。

細かいことはネット上にたくさん上がってるのでコンパクトに。

尿路造影とは、造影剤を用いて腎〜尿道までを観察する検査のことです。

以下のものがあります

1,静脈性腎盂造影

2,逆行性腎盂造影

3,順行性腎盂造影

4,逆行性膀胱造影 (cf.鎖膀胱尿道造影)

5,排尿時膀胱尿道造影

6,尿道造影

このうち、1,2,4,5,6が大事っぽいです。3,は2,に付随する感じで。

1,静脈性腎盂造影(IVP)

造影剤を急速に、もしくは点滴で静注して、腎に排泄された後撮影する方法です。腎〜膀胱までの機能、形態評価が可能です。

2,逆行性腎盂造影 (RP)

膀胱鏡により、尿管カテーテルを挿入して腎盂を造影、撮影する方法です。腎機能低下例では、IVUで腎盂、腎杯の評価が不能な時に行います。上(排泄)がダメなら下(尿管) から入れちゃえ、という考え方。

3,順行性腎盂造影

2,が不成功だった時に行う。経皮的に腎盂を穿刺して造影剤を注入する。下(尿管口、尿管)から入れれないので、腎盂に直接入れてしまえ、という考え方。

4,逆行性膀胱造影

尿道口から膀胱はカテーテルを入れ、造影剤を注入する。膀胱内の形態観察が可能。

cf, 鎖膀胱尿道造影

 チェーン膀胱尿道造影ともいう。造影剤注入後、膀胱内へ細いチェーンを挿入し、撮影。腹圧性尿疾患の診断に有用。膀胱と尿道の位置関係を見れる。

5, 排尿時膀胱尿道造影

 外尿道口から造影剤を注入後、排尿させながら撮影。特に膀胱尿管逆流(VUR)の診断に有用

6,尿道造影

尿道口から造影剤を入れ、尿道を撮影する方法。前立腺肥大、尿道狭窄、外傷による尿道損傷で有用。