医学勉強合間のメモ

ただのメモです。医師です。詳しい情報まで見たい方には向きません。

【めも】銅と亜鉛の関係

亜鉛と銅は拮抗する関係にあります。

なので、低亜鉛血症をきたした患者にノベルジンやポラプレジンクで亜鉛補正をする際には、銅欠乏症が起こらないかについても注意が必要です。

特に、腎不全患者では亜鉛欠乏が起こりやすく、亜鉛補正をする機会も多いので、その際は気をつけると良いでしょう。なかなか触れることの少ない疾患なので、忘れがちなところではないかと思います。

透析効率とは?基準は?

透析効率は、人工透析により尿毒素を取り除く効率のことで、Kt/Vという指標で表すことができます。

Kt/Vは、透析前後での血中尿素窒素レベルの差や透析持続時間、除去された体液の量、透析後の体重から算出できます。

基準として、日本透析医学会は、1.2以上のKt/Vを推奨しています。

1.4から1.6のKt/Vを達成すると、死亡リスクを減らすことができることが既存の研究示されています。Kt/V1〜1.2の時と比較して、Kt/V1.2〜1.4の時で0.818、1.4〜1.6の時で0.731まで死亡リスクが減少することが報告されています[1]。 

 

[1]日本透析医学会統計調査委員会.わが国の慢性透析療法 の現況(2001 年 12 月 31 日現在).東京,日本透析医学 会,2002.

 

臨床で使えるリンク集

血尿診断ガイドライン2013

日本泌尿器科学会、日本腎臓内科学会等複数の学会、厚労省の研究班により共同で作成されたガイドライン。健康診断や学校検尿で血尿陽性が出た場合の対応、臨床現場で血尿が出た際の精査の行い方、等を知ることができました。

https://jsn.or.jp/guideline/pdf/hugl2013.pdf

抗菌薬TDMガイドライン2016

治療薬物モニタリング(TDM)の行い方をしるのに使いました。腎機能正常者、保存期腎不全患者、透析患者等、それぞれでの投薬方法、TDMの行い方、目標血中濃度などを知ることができます。

https://jstdm.jp/content/files/guidelines/tdm_es.pdf

参考サイト

ソセゴンアタラックスpの併用(ソセアタ)

鎮痛と鎮静を目的として、ソセゴンとアタラックスpが併用されることがよくあります。使う理由としては、術後疼痛などに不安になった患者さん等に対して、鎮痛目的でソセゴン、鎮静目的でアタラックスpを使います。作用機序や、副作用、使い方について以下のサイトが参考になりました。

https://kasotuukablog.com/%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9p%E3%81%AE%E4%BD%9C%E7%94%A8%E6%A9%9F%E5%BA%8F%E3%80%81%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%80%81%E4%BD%9C%E7%94%A8%E6%99%82%E9%96%93%E3%80%81%E5%8A%B9/

 

追加していきます。

輸血によってどれくらいのHbが上がるのか

赤血球濃厚液は1パック2単位含まれています。2単位輸血でざっくりHb1mg/dLくらい上がると言われていますが、投与される患者の体格によって大きく左右されます。

輸血の際には、患者の体重、投与単位からHbの上昇幅を予想し、それに基づいて適切なHb上昇が得られているかを確認することができます。

Hb上昇が予想を大きく下回るようであれば、貧血を引き起こす出血などの要因がある可能性を考慮します。

 

Hbの上昇を予想するには、手動の計算で出すこともできますが、以下のリンクから見れる早見表が便利です。

筆者はブクマして使っていました。

 

https://www.jrc.or.jp/mr/relate/info/pdf/yuketsuj_0706-107.pdf

 

去痰薬ムコダインとムコソルバンの違い

名前がめちゃくちゃ似ているので、混同されることもある薬ですが、それぞれ違った機序で、痰を出しやすくする効果があります。

 

ムコダイン

主成分 

カルボシステイン

効果 

・痰の粘性を低下させる

・杯細胞過形成を抑制し、痰に粘性をもたらすムチンの分泌を抑える、等

 

ムコソルバン

主成分

・アンブロキソール

効果

・肺サーファクタントの分泌を促進する。

 

 

ポラプレジンク概要、使い方

ポラプレジンクは、亜鉛とL-カルシノンの配合体。上部消化管疾患治療薬のうち、防御因子増強薬の一。

胃潰瘍に適応がある。胃粘膜に付着、保護することで、潰瘍治癒を促進する。

具体的な使い方としては、単純に胃潰瘍に投与する他、

亜鉛不足があり、かつPPIが投与されている場合、ポラプレジンクに切り替える等。

保険適用外の使い方としては、

亜鉛欠乏、それによる口内炎、貧血患者への亜鉛補給目的に投与、等。

 

副作用として、銅欠乏症が挙げられる。銅と亜鉛は同じ吸収経路をたどる。亜鉛により銅の吸収が抑制されるため、銅欠乏症が起こりうる。

栄養状態不良の患者で銅欠乏による汎血球減少や貧血が報告されているため、症状出願ないかフォローする。

本材開始時点で、血中亜鉛とともに銅濃度を測定することもある。

 

価格は、後発薬で、顆粒36.3円、D錠14.4円。